相続財産の調査
相続が決定したら、何が相続財産に当たるのかを調査し、その上でその相続財産の価額を決定する必要があります。相続放棄をする場合には必要ありませんが、単純承認のみならず、限定承認でも必要です。相続財産は多岐に渡りますが、一般に問題になるのは現金及び預貯金と、不動産です。
まず、現金や預貯金などについては、金額がそのまま価値となるため、評価については問題になりません。ただし、金融機関の預貯金については引き出しには煩雑な手続きを要します。具体的には、相続人であることを示すための資料として、被相続人の戸籍謄本と相続人の戸籍謄本、そして相続人の意思を確認するための相続人全員の実印を押し印鑑証明書を添付した相続届けを提出する必要があります。
次に、不動産についてです。一般に、不動産は遺産の中で一番財産的に大きな価値を占めることは間違いありませんが、その評価については非常に複雑で困難であるとされます。その理由として、公的な評価基準が複数存在することが挙げられます。代表的なものは、「固定資産評価額」(固定資産税を基準に決定)や「路線価」(道路に面した標準値の1平方メートル当たりの値段)です。双方とも課税するための基準であり、前者は市町村の役場、後者は国税庁のホームページなどで調べることができます。
さらに、土地取引の指標になる基準として、「公示価格」というものが存在します。これは毎年一回、不動産鑑定士が標準値の近隣の取引価格などを参照して価格を決定します。先に挙げた二つの基準は実際の取引での売買価格よりも低い値で算出される傾向があり、その面で言えば公示価格が一番適正な基準であると言えます。
結局のところ評価額を決めてそれに則り遺産を分割するのは相続人間なので、相続人全員の合意が得られるならばどの基準を用いても構いませんが、やはり正確さを期すならば不動産鑑定士に依頼する必要があります。
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